カードローンとキャッシングの違いを徹底検証!
カードローンとは、基本的には銀行や消費者金融が提供している個人向けの融資で、キャッシングはクレジットカード会社や信販会社が提供するクレジットカードの付帯機能であるキャッシング機能を使ってお金を借りることを指します。
利用上の違いもありますし、それぞれのメリットやデメリットがあります。
カードローンのキャッシングの基本的な違いを知ろう
基本的な特徴
カードローンとは、銀行や消費者金融業者が提供している個人消費者向けの融資を指します。通常はローン専用のカードが発行され、それを使って借入・返済をします。審査によって決められた限度額の範囲内で、何度でもいくらでも借入と返済を自由に繰り返すことが可能です。
必要なときに必要なだけの金額を利用できます。キャッシングでは年会費が必要になることが多いですが、カードローンは年会費なしで1年毎に自動更新されます。借入限度額は10万円から最大で1000万円と高めに設定されている点も、キャッシングと違います。
キャッシングは通常、クレジットカードに付帯した機能を指します。クレジットカードは基本的に、物品の購入やサービスの提供に対する対価を現金を使わずに決済するためのツールです。それに現金を借りる機能を付帯したのがキャッシングです。
カードローンは現金の借入が専門のカードですので限度額が高めの設定ですが、キャッシングはあくまで付帯機能なので限度額は一般的に10万円から50万円度と抑えめになっています。
なぜ混同しがちなのか
2010年に貸金業法が改正施行されたことによって、曖昧だった定義にも一応の決着がついていますが、それまで混同されてきた歴史があるため、今でも間違って使われているという事情があります。
貸金業法の改正以前、多くの消費者金融業者が利用者の返済能力をはるかに超える貸付を行っていました。その結果、返済できない状況に陥る多重債務者が激増し、また、消費者金融が厳しい取り立てを行ってきました。
このときに消費者金融業者が自社のローン商品につかていた名称が「キャッシング」でした。そのため、現在でもキャッシングという言葉には悪いイメージがつきまとっています。
今では多くの消費者金融業者がイメージ戦略的に、キャッシングではなくカードローンという商品名を使うようになっています。現在はカードローンもキャッシングも、貸金業法や利息制限法によって利用者が保護されており、安心して利用できるものになっています。
法外な金利で貸し付けられたり、無理な取り立てにあったりすることはありません。
金利や借入額に違いがある
カードローンといっても、消費者金融が提供するものと銀行が提供するものとで若干の違いがあります。
おおよそ、以下のように理解しておけば問題ないでしょう。
商品 | 金利 | 借入可能額 |
消費者金融業者カードローン | 4%~18% | 最大500万円程度 |
銀行系カードローン | 2%~15% | 最大800万円程度 |
クレジットカードのキャッシング | 10%~18% | 最大50万円程度 |
お金を借りると必ず金利が設定されます。これは年間にかかる利息を計算するための数値です。金利18%ということは、50万円借入すると年間の利息は9万円となるという意味です。それを365日で日割りした額が毎日加算されていきます。
おおよそ1ヶ月に7300円程度の利息がかかり、それを返済日に元本分の返済とともに支払う必要があります。
金利は金融機関ごとに違いがありますが、一般的に契約した限度額が高いほど金利は低く、契約額が低いほど金利は高く設定されます。
金利で見ると、消費者金融業者とクレジットカードのキャッシングは高め、銀行のカードローンは低めです。注目したいのは、キャッシングは借入可能額が少なく、金利も高いという点です。
キャッシングは契約額が抑えめになっている分、最低金利も高めに設定されます。ここから、キャッシングは高額の融資には向かないという特徴が分かります。
利用上の違い
カードが違う
キャッシングはクレジットカードを使ってお金を借りますが、カードローンではローンカードを使ってお金を借ります。クレジットカードはショッピング機能が主体で、キャッシングはあくまで付帯機能です。
一方、カードローンはお金を借りることを専門としたカードで、通常はショッピングには使えません。近年では、ソニー銀行やみずほ銀行のように、銀行のキャッシュカードがそのままローンカードとして使えるものも出てきました。レイクALSAのようにカードなしで利用できるローンもあります。
返済の指定の仕方が違う
キャッシングとカードローンとでは、お金の借り方や返済の仕方にも違いがあります。キャッシングはクレジットカードの付帯機能ですので、指定された日に必ず返済しなければなりませんが、カードローンはいつでも返済できます。
たとえば、支払期日が30日だとすると、キャッシングでは毎月30日に口座から引落がかかりますが、カードローンではいつでも返済できます。通常は30日以降に返済すると返済期日も繰り延べされ、翌月の30日が次回の返済日となります。提携ATMなどを使っていつでも返済できるというのがカードローンです。
返済の自由度が違う
キャッシングとカードローンでは返済の自由度が違います。キャッシングは決まった日に口座からの引落で返済しますが、カードローンはATMを使った返済がメインです。銀行のカードローンなら、その銀行のATMまたは提携ATMを利用すると手数料無料で返済できます。
サービスが違う
実際の利用では、カードローンのほうがキャッシングよりも返済の自由度が高いといった便利さがあります。カードローンには無利息サービスがあったり、返済日を自由に設定できたりといったサービスが充実していますが、キャッシングにはそういった便利な機能はありません。
サービス面でキャッシングがカードローンよりも優れていると言えるのは「海外でも利用可能」という点です。キャッシングはクレジットカードの付帯機能です。海外に行ったときにショッピングに利用できるだけでなく、現地の通貨を引き出しすることも可能です。
カードローンとキャッシングのメリット・デメリット
カードローンのメリット
カードローンといっても、銀行系と消費者金融系では若干の違いはありますが、おおよそ金利が低いこと、高額の融資を受けやすいことなどがメリットと言っていいでしょう。
「お金を借りる」ことに特化しているのがカードローンですので、そういったサービス面ではキャッシングよりも優れています。おおよそ、以下のようなメリットがあると考えていいでしょう。
銀行系のカードローンは金利が低い。
クレジットカードでお金を借りると、かなり高金利になってしまうことがあります。銀行系のカードローンなら年率15%未満という金利で提供されることもあり、お得にお金を借りることが可能です。
100万円以上の高額の融資も可能。
キャッシングはあくまでもクレジットカードの付帯機能なので高額の融資には向きません。100万円以上の高額の融資ならカードローンでしょう。
消費者金融業者では100万円以上の借入契約をするときには収入証明書の提示が必要ですが、銀行系では300万円程度の契約であれば不要というケースも多くあります。
インターネットから申し込んで即日で融資される。
消費者金融業者の審査の早さは特徴的です。希望限度額次第ですが、多くの場合で運転免許証などの本人確認書類さえあれば、無人契約機に行ってその場で申し込みから融資まで完結できます。こういったスピードがカードローンの売り物のひとつです。
消費者金融業者のカードローンには無利息サービス期間がある。
消費者金融業者では初回契約時に限り、30日間の無利息期間が提供されるというサービスがあります。30日以内であればまったく利息がかかりません。4月10日に10万円借りたら、5月9日までに返済できればぴったり10万円の支払いで完済となります。
返済手段が多彩に用意されている。
銀行や消費者金融業者では、口座振替や引落、銀行振込などの返済方法があります。コンビニのATMを使って返済も可能です。
カードローンのデメリット
カードローンのデメリットは返済のわかりにくさでしょう。返済の自由度が高い分、いつまでにどの程度の額を用意したら良いのか、どうやって返済するのがお得なのか簡単には分かりません。
返済に関するデメリットには以下のようなものがあります。
長期化しやすい。
借りたお金を分割で返済していきますが、設定されている最低返済額だけを返済すると返済期間が長期化しやすく、計画的に返済していかないと、なかなか返済が終わらないということがあります。
余分な利息を支払ってしまう。
返済が長期化すると、その分だけ支払う利息も大きくなります。特に銀行のカードローンでは「残高スライド方式」という返済方法を採用しているため、返済期間が延びてしまいがちです。
一見すると金利が低いのでお得に借りることができそうですが、実は無駄な利息を支払ってしまうことになりがちです。
キャッシングのメリット
キャッシングはクレジットカードを使って現金を借りる方法です。そのため、「借金している」というイメージを持たれにくく周囲に発覚しにくいというメリットがあります。この他、以下のようなメリットがあります。
返済が長期化しにくい
キャッシングはクレジットカードに付帯した機能なので、たとえば翌月一括払いといった返済方法を採ることもできます。常に一括返済をしていれば、返済が長期にわたるということはありません。
ただし、リボ払いにしていると返済は長期になってしまうこともあるので注意が必要です。
申し込みの手間がかからない。
これはすでにクレジットカードを持っている場合ですが、元々保有しているカードにキャッシング機能を付けるときには申し込みの手間があまりかかりません。公式サイトから気軽に申し込むことが可能です。
元々そのカードのユーザーであるため、返済に遅れることなく毎月の支払日にきっちり引落されていれば審査も緩くなります。
キャッシングのデメリット
キャッシングはクレジットカードのメインの機能ではありません。そのため、使い勝手という面でカードローンより劣ると言っていいでしょう。ショッピングのために申し込んだカードに「おまけ」のように付いてくるのがキャッシング機能です。
そのため、以下のようなデメリットがあります。
金利が高め。
キャッシングの金利はおおよその場合で「年率18%」です。カードローンには年率15%以下というものも数多くあるため、金利という点では若干デメリットと言えるでしょう。
利用可能額が低め。
キャッシングでは利用可能額は多くても50万円くらいでしょう。100万円のキャッシング枠が付帯するクレジットカードは、ゴールドカードなど一部に限られます。利用可能額が低い分、金利も高く設定されます。
ショッピング枠との兼ね合いがある。
通常、クレジットカードではショッピング枠とキャッシング枠の合計が上限額となります。そのため、キャッシング枠で借り過ぎるとショッピング枠を使った買い物ができなくなります。
カードローンとキャッシング、どっちを選ぶ?
カードローンに向いている人・向いてない人
カードローンはお金を借りることに特化したカードです。キャッシングはクレジットカードの付帯機能であることを考えると、お金を便利に・お得に借りたい人にはカードローンのほうが向いているでしょう。
以下のような人はカードローン向きです。
金利をなるべく安く抑えたい。
カードローンのほうがキャッシングよりも金利は低めです。ただし、消費者金融業者のカードローンは高めに設定されているので注意しましょう。安く、お得にお金を借りたいときには、まず銀行のカードローンを検討するのが良いでしょう。
銀行のカードローンは審査が若干厳しめですが、金利は低い傾向があります。現在はネットバンクが成長しており、全国から申し込むことができて、利便性も高く狙い目と言っていいでしょう
高額の融資を希望している。
カードローンはお金を借りたい人向けのものですので、100万円以上の高額融資に対応しています。審査次第ですが、高額を借りたいときにはカードローンでしょう。総量規制という法律があり、年収の3分の1以上は借りることができないので注意しましょう。
返済はマイペースの分割払いにしたい。
カードローンは返済方法が自由なので、自分のペースで返済したい人に向いています。
逆に、以下のような場合にはカードローンは不向きと言えます。
消費者金融や銀行から借りることに抵抗がある。
消費者金融や銀行のローンはどうしても「お金を借りている」という認識が強くなります。そのほうが返済に意欲的になれるという人もいますが、いかにも「借金している」という感覚が嫌だという人は、クレジットカードに付帯しているキャッシング枠を使うようにしましょう。
借り癖を付けたくない。
カードローンは便利なものですが、いったん借り始めると便利さに負けて次々と借金してしまうことがあります。それが借金であることを忘れて自分のお金と勘違いしてしまうことも多くあります。そういったことに抵抗感のある人はカードローンは不向きです。
カードローンの選び方
カードローンを選ぶには主に以下の4点に注意しましょう。
金利は低いほうが借りる側としてはありがたいに決まっています。金利が低いと審査も厳しくなりますので、自分の年収や社会的な立場などを良く考慮しておきましょう。審査が受かりそうで、なるべく金利の低いところに申し込みましょう。
カードローンは便利に使えるものですが、たとえばコンビニのATMを使うときの手数料に違いがあったり、提携ATMが少なかったりするカードもあります。いざというときに借りられないということがないように注意しましょう。
カードローンは一般的に消費者金融業者は融資までのスピードが早く、銀行は遅めです。緊急の用立てでは消費者金融業者が格段に便利です。消費者金融業者は申し込み当日の融資が可能ですが、銀行は早くても2営業日ほどかかります。
カードローンは一般的に消費者金融業者は審査が緩めで銀行は厳しめです。とはいっても、銀行でも審査がそれほど厳しくないところもあります。インターネットの口コミサイトなどを参照して調べてみましょう。
キャッシングに向いている人・向いていない人
キャッシングは多少金利が高いものの、すでに保有しているクレジットカードがそのまま使えるので心理的な抵抗感が薄く、便利に使うことができます。
今あるカードにキャッシング機能を付けるだけで充分と思えば、申し込みは簡単ですし、キャッシングを使うほうが良いでしょう。以下のような人はキャッシングのほうが向いています。
カードローンに抵抗がある。
いかにも借金しているという感じになりたくないなら、クレジットカードのキャッシングでお金を借りましょう。消費者金融業者から借りるということに、どうしても踏み切れない人もいます。無理に借りる必要はありません。
少額融資でいい。
カードローンは高額融資が可能ですが、借金なのでいずれ返済しなければなりません。高額になるほど、返済には時間もかかります。毎月返済日がやってくるので精神的にも疲れてしまいます。
50万円程度の融資枠があれば充分というのであれば、わざわざ消費者金融業者などで審査を受けてカードを発行して借りるよりも、今あるクレジットカードにキャッシング機能を付けるだけのほうが精神的には楽です。
返済を長引かせたくない。
キャッシングのメリットは返済を一括にしてすぐに完済できる点にあります。支払う利息の総額は返済期間が延びるほど多くなります。そういったデメリットを回避できるのもキャッシングの良い点です。
逆に、以下のようなケースではキャッシングよりもカードローンのほうが向いています。
高金利で借りたくない。
一般的に、金利は年率で3%違うと利息の違いが実感されると言われています。クレジットカードのキャッシング枠の金利は多くの場合で18%と高金利です。
同じ額を借りても、カードローンの場合には15%以内の金利で借りることも可能です。特に銀行のローンは金利が低い傾向があります。少しでもお得に借りたいのであればキャッシングではなくカードローンにしましょう。
口座振替以外の方法で返済したい。
キャッシングは通常、口座振替で淡々と毎月同じ金額を返済していきます。それ以外の方法で返済しようとすると、わざわざクレジットカード会社に連絡しなければならないこともあります。
そういった手間を省いて自由に提携ATMなどで返済していきたいと考えるのであれば、カードローンのほうが良いでしょう。
今すぐ現金が必要。お金借りたい
クレジットカードにキャッシング枠を付けるとき、融資までの時間がかかることがあります。今すぐに現金が必要というときには間に合わないこともあり得ます。緊急の用立てなら断然、消費者金融業者のカードローンです。
キャッシングの選び方
今あるクレジットカードにキャッシング枠を付帯させるのは難しくありません。すでにそのクレジットカード会社の顧客であって、実績があるからです。返済日に遅れることなく確実に口座から毎月引落されているのであれば、審査は簡単に済むでしょう。
それ以外のケースで、新規でクレジットカードに申し込むのであれば、審査が通りやすいカードを選びましょう。利用面ではさほど違いがなくても、審査に通りやすいカードもあれば通りにくいカードもあります。
カードには一定のステイタスがあり、ステイタスが高いカードほど審査には通りにくい傾向があります。ゴールドでなくても良いとか、人前で出してもこの程度なら容認できるなどの条件で選んでいきましょう。
たとえばアメリカン・エクスプレスのカードはステイタスは高いですが、意外に審査に通りやすい傾向があります。ダイナースはステイタスも高めで、審査基準も高めです。ライフカードやクレディセゾンのカードはステイタスはあまり高くありませんが、審査基準も低めです。
まとめ
カードローンもキャッシングも、一長一短です。どちらにせよ、「お金を借りる」という行為には変わりないため、計画性なく利用していると後から返済に困ることになります。それぞれの特徴をわきまえて上手に利用していきましょう。セントラルはおすすめです。